テルペンとは
ブログ記事をシェア
カンナビスのほのかな香りには、心を落ち着かせる何か特別なものを感じます。 大地の香り、花のブーケ、ピュアなレモンのような松の香りがするのは、何か特別な物質が含まれているのではと感じさせられますね。
事実、その通りなのです。
どんな植物にも「テルペン」と呼ばれる成分が存在します。テルペンはその植物の香りを決める重要な成分です。 テルペンは香りだけでなく、テルペンそのものに私たちの身体によい働きをもたらすことが知られています。
今回はテルペンについて少し掘り下げてみましょう。
テルペンとカンナビノイド
CBD、CBG、THCといったカンナビノイドは、大麻草(カンナビス)に含まれる植物成分です。THCには精神活性作用があり、CBDにはありません。
テルペンはそのどちらでもない物質です。テルペンはこれらのカンナビノイドと一緒に働き、有益な働きをもたらします。
テルペンとは?
テルペンは、大麻草(カンナビス)やヘンプにも含まれる植物成分です。しかし、テルペンそのものはカンナビノイドではありません。
テルペンは、特にミント、松、柑橘系、ベリー系のような香りを持つ植物に多く含まれる成分です。
強い香りを持つ多くの植物と同じように、カンナビスに含まれるテルペンも、もともとは花粉を媒介とする生物をおびきよせたり、外敵から守るための成分として植物が作り出した物質です。植物の中でどのようにテルペンができるのかは、気候、天気、土壌の種類、肥料、年数、成熟、1日の中の時間帯などにも関係しています。
実際、カンナビスだけでも200種類を超えるテルペンが存在し、それぞれ特徴があります。
※その他の植物には20000種類以上のテルペンが存在します。
「スーパーシルバーヘイズ」と呼ばれる、柑橘系の香りをもつカンナビスの種類を例にとって考えてみましょう。
この種は、元々は「ノーザンライツ」と「ヘイズ」という、素朴で刺激的な香りを持つ種類のカンナビスを交配してできたものです。
テルペンの働き
カンナビスの多種多様な味や香りを知れば知るほど、神秘的なテルペンに魅了されることと思います。しかし、テルペンがカンナビスに含まれるカンナビノイドと相互作用をすることいにより発揮されるパワーには、さらに驚かされるでしょう。
多くのテルペンは血液脳関門を通過します。血液脳関門とは、血液から脳組織へ、ウィルスや細菌などの病原菌が入り込まないように制御するバリア機能です。テルペンはこのバリアを通過することができ、直接的な効果をもたらします。
様々な研究により、テルペンが、身体に様々な効果を促す可能性がある事がわかってきています。つまり、テルペンには、視力を回復する効果があるという人もいれば、安らかな眠りに導いてくれるという人もいます。
例えば、テルペンの一つであるリモネンには、幸せな気分を高める作用がある一方、リナロールには筋肉を緩め、体がオーバーワークするのを引き留めるような働きがあるのです。
テルペンはCBDやCBGといったカンナビノイドと一緒になることで、「アントラージュ効果」と呼ばれる相乗効果が生まれます。
また、テルペンはカンナビノイドやその他のテルペンの吸収も助ける働きもあります。
現時点では、それぞれのテルペンがお互いにどのように作用するかは明確にはわかっておらず、更なる研究が必要とされています。
カンナビスに含まれる主要なテルペン
アルファピネン
● 香り:松
● ベイプに適切な温度:摂氏155度
● 期待できる働き:活力、記憶力向上
● アルファピネンが多く含まれる植物:松葉、ディル、ローズマリー、パセリ、バジル
アルファピネンまたは単にピネンとも呼ばれ、他のカンナビスの多くに見られる、独特な松の香りを醸し出す芳香性のテルペンです。
アルファピネンの香り高いオイルは、これと同種のテルペンにも言える事ですが、カンナビス植物の毛状突起(トライコーム)の部分から分泌されるものです。
アルファピネンは、バジル、松葉、ローズマリー、パセリ、バジル、ディル、球果植物類などの一般的にみられる植物やハーブ、さらにオレンジの皮にも含まれています。
ミルセン
● 香り:ウッディ、ムスク、クローブ
● ベイプに適切な温度 :摂氏167度
● 期待できる働き:リラックス、鎮静作用(使用量による)
● ミルセンが多く含まれる植物:ホップ、レモングラス、タイム
一般的に「ミルセン」と呼ばれている「ベータミルセン」は、その他のカンナビスにも含まれるテルペンの一種です。
ミルセンは、マンゴー、月桂樹の葉、ホップ、レモングラス、バジル、タイムなどにも含まれています。
リモネン
● 香り:柑橘系
● ベイプに適切な温度:摂氏176度
● 期待できる働き:ストレスの軽減、気分の向上
● リモネンが多く含まれる植物:ローズマリー、ペパーミント、ジュニパー、果物の皮
「シトラスクッシュ」「スーパーレモンヘイズ」「パイナップル」「スーパーシルバーヘイズ」等のカンナビスには、甘いレモンやオレンジの香りがします。
実は、この素晴らしいリモネンの香りは、花の樹脂腺にある芳香性の強いカンナビスのテルペンによるものなのです。
リモネンには、柑橘系の香りだけではなく人の気持ちを変える働きがあるのですが、いわゆるよい気分”に導くのが、リモネンの働きによるものです。
ベータカリオフィレン
● 香り:ウッディ、ペッパー、スパイシークローブ
● ベイプに適切な温度:摂氏130度
● 期待できる働き:ストレスの軽減
● ベータカリオフィレンが多く含まれる植物:シナモン、ブラックペッパー、クローブ
ベータカリオフィレン、またはカリオフィレンは、食用の植物の中にも存在する、コショウのようなスパイシーなテルペンです。
唐辛子や、オレガノ、ホップ、バジル、ローズマリーなどのハーブや、シナモン、クローブ、黒コショウなどの香辛料の中にも多く含まれており、ストレスを軽減する作用のあるテルペンです。
多くの薬用の塗り薬や局所用カンナビスにも、ベータカリオフィレンが配合されています。
リナロール
● 香り:フローラル系
● ベイプに適切な温度:摂氏198度
● 期待できる働き:鎮静作用、気分の向上
● リナロールが多く含まれる植物:ラベンダー、カモミール
他のテルペンと同じように、リナロールはカンナビスにのみ含まれているわけではありません。そのラベンダーのような香りは、200種類以上の植物に含まれています。
カンナビスを一度も使用した事がない人でも、一年で約2グラム以上のリナロールを自然に消費していると言われているほど、一般的なテルペンです。
リナロールには、リラックス効果、やる気を出す効果があります。
フムレン
● 香り:ウッディ、ホップ
● ベイプに適切な温度:摂氏106度
● 期待できる働き:空腹感の抑制
● フムレンが多く含まれる植物:コリアンダー、クローブ、ホップ、バジル
カンナビスを使用した時に感じる「空腹感」とは反対に、フムレンには、空腹感を抑える作用がありますので、食べ過ぎを防ぐのに適しています。
フムレンは、ホップ、バジル、クローブ、サティーバ種のカンナビスに多く含まれています。
オシメン
● 香り:ハーブ、ウッディ、スイート
● ベイプに適切な温度:摂氏50度
● オシメンが多く含まれる植物:パセリ、コショウ、ミント、蘭の花、バジル、キンカン
オシメンは、様々な植物や果物に含まれていて、
その草のような甘い芳香な香りは香料用に使用される事が多い炭化水素です。
オシメンも、自然環境の中で外敵から身を守るために生成されるテルペンであると言われています。
テルピノレン
● 香り:フローラル系、ハーブ、松
● ベイプに適切な温度:摂氏186度
● テルピノレンが多く含まれる植物:りんご、ティーツリー、ライラック、ナツメグ、針葉樹、クミン
テルピノレンには、ハーブの香りではなく、草や松などのフレッシュな香りがする炭化水素です。
テルピノレンは、ナツメグ、針葉樹、クミン、ライラック、ティーツリーに含まれていて、ローション、香水、石鹸などに使用されています。
テルペンの香りを楽しむための製品
下記の製品は、テルペンが配合されています。テルペンの奥深い香りをぜひお楽しみください。
<参考>
ALL ABOUT TERPENES: A COMPLETE GUIDE