デルタ9THC(THC)について正しく知っていますか?

大麻やCBDの話をするときに色々な意味でキーとなるカンナビノイド、それはデルタ9THC(テトラヒドロカンナビノール)です。

デルタ9THCをいわゆる”THC”と呼んでいますが、近年、デルタ8やデルタ10など異なるタイプのが製品化されているので、ここではあえて”デルタ9”としておきます。

デルタ9THCは、国や地域によって規制が異なり、日本においては検出レベル以下でなければなりません。

デルタ9THCは規制物質ではありますが、一体どんな物質なのか、少し掘り下げてみたいと思います。


デルタ9THCとは?

私たちのブログを何度か読んでいらっしゃるお客様でしたら、”CBDには精神活性作用がないのでハイになりません”という文面を何度も目にしたかと思います。

THCには精神活性作用があり、多く摂取すればハイになります。

この精神活性作用のため、米国では連邦法でフルスペクトラムCBD製品の中に含有されるTHCの量は0.3%未満であることが法律で規制されています。

注:日本では、非検出レベルでなければなりません。

デルタ9THCには健康への素晴らしいベネフィットがあるにも関わらず、マリファナが持つイメージから悪者扱いされがちです。

大麻草は古くから民間療法として使用されてきており、現代の科学でもその効果が実証されています。


とは言え、米国でも日本でも医学的な効果についてはここで述べることはできませんので、代わりに、デルタ-9THCに関するいくつかの情報をシェアさせていただきます。

なぜそしてどのようにTHCが使用され、その安全性について知ることで、THCを正しく理解していただけると思っています。


ヘンプと大麻(マリファナ)の違い

まず触れておかなければならないのは、CBD製品に使用される大麻草とマリファナの大麻草は異なるという点です。

これについては、以前の下記のブログでもご紹介させていただき、多くの方に呼んでいただいています。

参考ブログ:ヘンプと大麻草(マリファナ)の違いを解説します

ヘンプとマリファナの違い

 

CBD製品に使用される大麻草==>産業用ヘンプ(THC 0.3%未満)

嗜好用・医療用大麻に使用される大麻草==>マリファナ(THC 0.3%以上


どちらも大麻草(カンナビス・サティバ)というアサ科アサ属の植物です。THCが0.3%未満の品種が「ヘンプ」、そしてTHC含有量が0.3%以上の品種が「大麻草」と呼ばれます。

 

THCとフルスペクトラムCBD

米国では、産業用ヘンプから抽出されたCBDオイルで、微量のTHCを含むもの(0.3%未満)を「フルスペクトラムCBD」と呼んでいます。

THC以外のマイナーカンナビノイド、テルペン、フラボノイドなど植物成分を豊富に含み、アントラージュ効果が最大限に期待できるとされています。

補足:

日本では定義があいまいであり、米国でも近年確立されてきた言葉です。CBDfxでも以前はTHCを含有しないCBDオイルについても「フルスペクトラムCBD」と呼称していた時がありました。

現在では、CBDのみを99%以上含み、それ以外の成分の含有がないものを「アイソレートCBD」、CBDとその他のカンナビノイドを含むものを「ブロードスペクトラムCBD」、CBD以外にもTHCを0.3%未満含むものを「フルスペクトラムCBD」と定義しています。

日本には、フルスペクトラムCBDは輸入していません。


デルタ9THCのベネフィット

私たちが販売するCBD製品が、疾患を治癒させると標ぼうするつもりはありません。大麻草が古来からどのように使われてきて、どのような科学的な研究がされてきたいのかをみていきましょう。

痛みの緩和、気分の改善、睡眠の質の向上、消化機能の改善、アレルギーの改善などがあげられます。

 

1.痛みの緩和

THCによる痛みの緩和は、多くの方がTHCを利用する目的の1つです。医療大麻は、がん患者さんの疼痛や偏頭痛や慢性的な痛みに対して効果が証明されており、オピオイドなどの麻薬性鎮痛薬の代替として痛みの緩和に役立つことがわかっています。

 

2.ストレスや気分

2021年の流行語となった”チルい”は、まさにTHCの働きを表現するのにぴったりです。THCはストレスや不安感を和らげる、チル成分です。

THCは脳内の受容体に結合し、内因性カンナビノイドのアナンダミドと同じような応答を生み出します。アナンダミドという名前は、サンスクリット語のアナンダに由来しています。アナンダとは、”喜び”を意味し、そして仏陀の親友の名前でもありました。

THCとアナンダミドは類似した化学構造を持っており、快楽、集中力、記憶に関連する脳の部分に影響を与えます。ただし、アナンダミドにはTHCのような効力と持続時間はありません。


THCは大脳基底核と偏桃体につながる脳の報酬経路を活性化します。脳の報酬経路が活性かされると、ドーパミンが放出され、喜び、気分、注意、および動機付けの感覚に大きな役割を担います。


大量のTHCを長期間使用すると、徐々に脳の報酬経路の反応が鈍くなる可能性があることには注意が必要です。また、THCを大量に摂取すると、一部の人に妄想や不安などの不快感を引き起こす可能性があります。

 

3.睡眠への働き

多くの人に、デルタ9THCによる睡眠の質の改善がみられています。医療大麻は、PTSD、MS、慢性的な痛みの患者さんの睡眠に役立っています。

CBDは不安感を持つ患者さんの睡眠を助けることがわかっていますが、THCを併用することで更に効果が高まります。

 

4.抗酸化作用

THCはCBDやその他のカンナビノイドと同様に抗酸化作用を持っています。抗酸化物質は、皮膚、臓器、さらにはDNAに酸化ストレスを引き起こすフリーラジカルから守ります。THCは脳細胞を保護する抗酸化物質としての研究も進められています。

 

5.抗アレルギー作用

1970年代の始め、デルタ9THCの抗ヒスタミン作用の研究が始まりました。2005年には、THCが肥満細胞の活性を抑え、ヒスタミン放出を誘発することがわかりました。

ただし、抗ヒスタミン薬との併用によりめまいや眠気といった副作用が強くでることがあるので注意が必要です。

 

6.抗制吐作用

デルタ9THCは、吐き気や嘔吐を抑えるのにとても効果的です。マリノール(一般名ドロナビノール)という合成THCは、抗がん剤治療の副作用の吐き気や嘔吐に使用される医薬品として、1985年にFDAに承認されています。


ドロナビノール

写真:Medical Cannabis Reportより



デルタ8THC vs デルタ9THC

デルタ9THCはもっとも知られているTHCの仲間で、法律で規制されており大麻草に含まれる二大カンナビノイドの1つです(もう一つはCBD)。

最近、デルタ8THCやデルタ10THCという成分も耳にするようになりました。

デルタ8とデルタ10も、デルタ9と同様、ヘンプに含まれるカンナビノイドでデルタ9よりは弱いですが精神活性作用があります。しかしながら、ヘンプに微量しか含まれないマイナーカンナビノイドです。

そのため、効力のある製品を作るためには実験室で合成させる必要があります。

ちなみに、デルタ8もデルタ10も日本では違法なため、デルタ9と同様、製品に含有することはできません。米国でも、嗜好品として使用されることが多い成分です。

 

 

デルタ9THC、CBD、ECSの関係性

デルタ9THC

 

CBDとデルタ9THCは非常に相性が良いカンナビノイドです。どちらも大麻草に含まれる数百のカンナビノイドの中の一つです。THCは、CBG、CBN、CBCなどのカンナビノイドと同様、エンドカンナビノイドシステムとして知られる私たちの身体のシステムの受容体と相互作用します。

エンドカンナビノイドシステム(ECS)は、中枢神経系、末梢神経系、ならびに気分、睡眠、免疫反応などを調整する体内の組織やシステムと統合しています。カンナビノイドがECSの受容体に作用すると、治療効果をもららします。

 

最後に

今回登場したTHCファミリー(デルタ8、デルタ9、デルタ10)のいずれの成分も日本では合法的に使用できない成分です。

米国CBDfx製品には、デルタ9THCを配合したフルスペクトラムCBD製品ラインがありますが、残念ながら日本に輸入することができません。

近い将来、日本でもなんらかの形でデルタ9THCの恩恵が得られるようになる日が来るのでしょうか。

 

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