アメリカにおけるHHCの動向
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HHC(ヘキサヒドロカンナビノール)は大麻由来成分で、今、日本でとても流行している成分です。興味深いことに、アメリカよりも日本の方が急激に火が付いたようです。
HHCは構造的にTHCと似ていることもあり、THCに似た作用が期待できます。
そのため、THCが違法である日本で、THCに似た作用が合法的に利用できるHHCは極めて貴重なものだったのです。
HHCは半合成されるカンナビノイドで、熱や紫外線にも強く、THCよりも消費期限が長い特長があります。
合成で製造でき安定性も高く、”まだ合法的に購入できる”として、アメリカでもデルタ8THCなどのTHC関連カンナビノイドに続いて製品が出回ってきました。
まだ合法的と書いたのは、いずれはDEA(アメリカの麻薬取締局)により規制物質のリストに入るだろうというのが、大方の見方だからです。
アメリカにおけるHHCの法規制
アメリカの法制度は連邦法と州法の二重構造です。2018年度改正農業法により、「THC含有量が0.3%未満の産業用ヘンプ」が合法となりました。
しかし、連邦法で合法でも、いくつかの州ではTHCを含有する製品は違法としているので、居住地の州法に従う必要があります。アメリカの複雑なところは、連邦法では合法でも州法で違法となる点です。
ではHHCの法規制はどうなっているのでしょうか?
HHCの規制は明確ではありませんが、調べによると、デルタ8THCが合法である州では合法の可能性が高い。。。という感じです(あいまいな表現が多いです)。
そのため、デルタ8THCの法規制を調べてみる必要があります。
デルタ8THCの法規制
CBD情報サイトのCBDThinkerの情報によると、2021年12月時点で、デルタ8THCは30州で合法です。(連邦法ではすべての州で合法です)
デルタ8THCが合法な州:アラバマ、フロリダ、ジョージア、ハワイ、イリノイ、インディアナ、カンザス、メイン、メリーランド、マサチューセッツ、ミネソタ、ミズーリ、ネブラスカ、ニューハンプシャー、ニュージャージー、ニューメキシコ、ノースキャロライナ、オハイオ、オクラホマ、オレゴン、ペンシルベニア、サウスキャロライナ、サウスダコタ、テネシー、テキサス、バージニア、ウェストバージニア、ウィスコンシン、ワイオミ、ワシントンDC
嗜好用大麻と同様な位置づけの2州:コネチカット、ミシガン
現在のところ合法か違法かが曖昧な4州:アリゾナ、カリフォルニア、ミシシッピー、ケンタッキー
違法な14州:アラスカ、アーカンソン、コロラド、デラウエア、アイダホ、アイオワ、モンタナ、ニューヨーク、ネバダ、ノースダコタ、ロデオアイランド、バーモント、ユタ、ワシントン
HHCの取り扱いをデルタ8THCと同じと考えると、30州+6州の36州で販売、使用が可能です。
べイプよりHHCフラワーが主力?
日本のHHC製品は、べイプとして利用するための製品が主流です。アメリカにももちろんHHCのべイプ製品はありますが、アメリカではフレーバーのついた電子タバコは禁止される方向にあるため、べイプよりもヘンプの花にHHCを吹き付けた「HHCフラワー」がブームになるのかなと予想しています。
ちなみに、アメリカは日本のように、部位の規制がありませんので、花や葉も含む全草が利用できます。
HHCフラワーとは、ヘンプの花穂(バッズ)を乾燥させたものに、HHCをコーティングさせたものです。ヘンプの花穂には0.3%未満のTHCの他、様々なカンナビノイド、テルペン、フラボノイドなどの植物成分が含まれますが、HHCを吹き付けることにより、THCの働きと似た働きが強く得られる訳です。写真は、アメリカで販売されているHHCフラワーです。容器の中に、HHCでコーティングされたバッズが入っています。
中には、HHCフラワースプレーという製品もあり、お好みでバッズに吹き付けて働きを強めるというのが目的のようですが、そのまま口の中にスプレーしてもよいと説明書きがあり、それは大丈夫なのだろうか。。。。とちょっと心配になります。
まとめ
デルタ8THCもHHCも、アメリカではかなり話題となっている成分です。0.3%未満のデルタ9THCを含有する産業用ヘンプ由来の成分であれば、連邦レベルで合法ですが、州によって違法な州もあります。
また、DHEが2020年8月に規制物質のリストに加えるという話があったため、製造販売する企業は手を出しづらい成分であることは明らかです。というのも、いったん規制物質となると、一夜にしてその成分は製造も販売もできなくなるからです。
そのため、2021年のCBDブランドの売上ランキングも、デルタ8THCを全面に販売していたブランドが急激な成長をみせました。
HHCについても同様な動向をたどると予想されます。