CBDを利用したコロナウイルス患者への新しい治療方法がイスラエルで臨床試験開始される

※本ブログは、カンナビス研究の先進国であるイスラエルで、CBDの抗炎症特性をコロナウイルス感染症の治療へ利用することを検証する3つの臨床試験が開始されたという記事を翻訳したものです。

原文:Israel Researchers Launch Clinical Trials To Test CBD As COVID-19 Treatment Supplement

Benzinga, April 25, 2020 10:37am

※日本で販売されているCBD製品が、コロナウィルス感染症に効果があると推奨しているものではありません。

イスラエルの科学者らは、大麻がコロナウイルスの阻止または遅延に効果的な役割を果たすことができるかどうか、臨床試験を開始しました。肺の健康の専門家は、大麻の喫煙がコロナウイルスとその拡大を悪化させる可能性があると警告していますが、イスラエルの科学者は、可能な解決策として既存の治療オプションとともに、CBD(カンナビジオール)を研究しています。

先週、InnoCan Pharma社は、幹細胞が増殖する際に分泌される小型の膜小胞であるエクソソームを通じてCBDを注入するため、テルアビブ大学との共同研究を発表しました。エクソソームを利用するこの異色な方法は、コロナウイルスによって損傷を受けた細胞器官を標的にする誘導ミサイルのようなものです。研究者たちは、CBDの抗炎症作用が相乗効果によって損傷した細胞を修復すると信じています。

コロナウイルスは呼吸器系機能にダメージを与えるため、患者に吸入装置を使ってCBDを豊富に含むエクソソームを与えます。以前の研究では、CBDはコロナウイルスが免疫機能を高め、炎症を鎮めることが示唆されています。

2つ目の臨床試験は、イスラエルのRabin Medical Centerで現在治療を受けているコロナウイルス感染患者10名を対象に、今後数週間に渡って実施されます(この記事は2020年4月25日)。医師は、ステロイドとCBDを組み合わせ、CBDがステロイド治療の効果を高めると信じています。Stero Biotechs社とMor Research Applicationとの共同実験で実施される本試験は、治療が成功した場合、更に40名の患者へ治療を広げる予定になっています。

“CBDを利用した治療は、現在の治療の効果を高め、生命の危機にある患者を救うと期待しています。”と、Stero Biotechs社の創始者でありCEOのDavid Bassaは声明でこのように述べました。”入院中のコロナウイルス感染患者の多くはステロイド治療をしており、私たちの研究は、ステロイド治療と組み合わせた利点を実証します。この研究により、イスラエルおよび世界中で増加するコロナウイルス感染患者の助けになることを願っています。”

3つ目の臨床試験は、テルアビブのIchilov Medical Centerで実施される、CBDの抗炎症作用は中程度のコロナウイルス感染患者で経験した呼吸器症状への効果を検証するものです。

カナダの研究者たちは、大麻がコロナウイルスの侵入を阻害し、その広がりを抑えるという研究をすでに発表しています(1)。彼らは、大麻の抗炎症作用が潜在的な治療に重要な役割を果たす可能性があると考えています。

1.Wang, B.; Kovalchuk, A.; Li, D.; Ilnytskyy, Y.; Kovalchuk, I.; Kovalchuk, O. In Search of Preventative Strategies: Novel Anti-Inflammatory High-CBD Cannabis Sativa Extracts Modulate ACE2 Expression in COVID-19 Gateway Tissues. Preprints 2020, 2020040315 (doi: 10.20944/preprints202004.0315.v1).

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